新体系看護学全書 別巻

生と死の看護論 第2版

B5判/194頁/定価1,980円(本体1,800円+税10%)

ISBN:978-4-8392-3255-9

第2版/2006年 12月

 

編集

平山 正実 元聖学院大学大学院教授



 看護職にとって“死”を学ぶことは、患者さんとかかわるにあたりとても大切なものではないでしょうか。また、“死”を日常の中で体験する看護師にとって、慢性的なストレスやバーンアウトを防ぐために、そして悲嘆に飲み込まれる事なく、そのうえで共感性を失わず適切な対応をするためにも“死”を学び、考えることが重要と言えます。看護の場で遭遇する様々な“死”の場面を想定し、そのケアについての基礎的・応用的知識が学べる1冊としました。

 今後さらに需要が増してくる緩和ケアについても詳しく記述しています。


執筆者(執筆順)

平山 正実 元聖学院大学大学院教授

秋山 淳子 北千住旭クリニック臨床心理士

花出 正美 がん研究会有明病院看護部

新藤 悦子 国際医療福祉大学教授

本家 好文 広島県緩和ケア支援センター センター長

大西 秀樹 埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授



目次

第1章 死を考える

 1 死とは何か

  A 歴史学的考察

  B 民俗学的な考察

  C 宗教的な考察

  D 生物学的な考察

 2 死の心理学;死の受容に至るプロセス

  A 死の受容とはどういうことか

  B 死の受容の可否

  C 死の受容に至るプロセス

  D 死の受容を援助する者にとって大切なこと

 3 生と死の教育の意義と医療者

  A 生と死の教育の必要性

  B 医療者にとっての生と死の教育の意味

  C 対象・内容・方法

 

第2章 死に直面した人間の現実

 1 死の受け止め方

  A 発達年齢の違いが死の受け止め方に及ぼす影響

  B 死に至る過程の違いが死の受け止め方に及ぼす影響

 2 死に直面した人の理解

  A 死が近づきつつある現実に直面しながら生きる人の体験の理解

  B 死が近づきつつある現実に直面しながら生きる人の体験の理解のためのアプローチ

 3 死に直面した人が抱える痛み

  A 身体的な痛み

  B 精神的な痛み

  C 社会的な痛み

  D 霊的な痛み

 

第3章 真実の伝え方と支え

 1 真実を伝えることの重要性

  A なぜ真実を伝えるのか

  B 真実を伝えることに関する倫理的問題

  C 真実を伝える際の留意点

 2 コミュニケーションの重要性

  A 意思決定のためのコミュニケーションの重要性

  B コミュニケーションを築くための方法

第4章 緩和ケアの進め方

 1 緩和ケアとは何か

  A 緩和ケアはなぜ必要か

  B 緩和ケアでは何を行うのか

 2 緩和ケアの担い手

  A チームアプローチの必要性

  B チームアプローチのメンバー

  C チームアプローチにおける看護師のあり方

 3 緩和ケアの方法

  A 身体的苦痛の緩和

  B 精神的苦痛の緩和

  C 社会的苦痛の緩和

  D 霊的苦痛の緩和

 4 死の看取りと医療者

  A 死の看取り

  B 死後のケア

 5 グリーフケアの方法

  A 患者の死に至るまでの家族のケア

  B 患者の危篤時・死亡時における家族へのケア

  C 患者を亡くした家族へのケア

 6 システムの違いからみた緩和ケアの特性

  A 緩和ケア病棟における入院ケア

  B 一般病棟における緩和ケアチームによるコンサルテーションサービス

  C 緩和ケア外来における通院ケア

  D 訪問診療・訪問看護による在宅緩和ケア

  E デイケアによる在宅緩和ケア支援サービス

 

第5章 死をめぐる現代医療の課題

 1 病気にかかわる現代医療の課題

  A 臓器移植と死の判定

  B 疾患の犠牲から生じる死の問題

  C 流産、死産、中絶をめぐる問題

  D 自殺をめぐる問題

 2 患者の人権、ケアにかかわる現代医療の課題

  A 医の倫理と患者の人権

  B 死ぬ場所の多様化とケアの課題

  C スピリチュアルケアに関する問題

  D burn-outに陥る死の医療の担い手に対する支援



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